大学職員が主観で物申す。

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県内進学者を支える奨学金こそ地方創生の第一歩!!

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 昭和15年に実業家の竹中源助氏が創設した竹中養源会というものがあります。和歌山県の大学進学を志す者に対し、奨学金を無利子で貸与してきた公益財団法人で、来年度の募集が始まるようです。

 和歌山県最古の奨学会として知られる竹中養源会ですが、残念ながらウェブページがないんですね…。社会に貢献する取り組みをしている財団なので、是非積極的に情報発信していただきたいものです。

 さて、今回は奨学金絡みについて考えてみたいと思います。

 

 

ニュース記事はこちら

竹中養源会:県在住か出身者、大学奨学生募集 /和歌山 - 毎日新聞mainichi.jp

ニュースの要点

和歌山県在住か出身者を対象

・月に1万円から3万円の貸与

 

竹中養源会って何?

 冒頭申し上げたように、竹中養源会の公式ホームページはありません。しかし、奨学金をもらっていた方のブログや創設者である竹中源助氏に関する検索結果はありましたので、そのあたりから解説いたします。

 

財団概要

 創設:1940年

 創設者:竹中源助氏(1877-1958)

 創設者について:

 元の名は川口兵四郎であり、綿糸商竹中家の婿養子となりました。その後事業を拡大し、竹中商店へと成長します。晩年に本稿の主役である竹中養源会を設立し、戦時下にあって教育事業支援を行う篤志家でした。

 ちなみに竹中商店は株式会社スミテックス・インターナショナルとして現在も存続しています。すごいですね!

株式会社 スミテックス・インターナショナルwww.stx.co.jp

特色

 和歌山県最古の奨学会として知られており、奨学生は毎年10名程度を募集しています。また、竹中養源会は事務局において支援学生個々の相談にも対応するという方針も示しています。以下は、日本の奨学金制度についての特色について言及します。

 日本の奨学金制度は、現在日本学生支援機構によってその多くが担われていますが、こうした財団による奨学金も少なからず存在し、各大学との結びつきにより「大学独自の奨学金」として提供されたり、竹中養源会のように県内進学支援として活用されています。

 そもそも日本の大半を占める私立大学の学費が高いことが問題の根本ではありますが、学生支援機構だけでなく、設立者の思いが込められた財団による奨学金による支援は大学進学を志望する者の裾野を広げる意味で大変有益なものです。特に、地方在住で都会で一人暮らしをしながら通学することは金銭的に難しいご家庭もあるでしょうから、こうした財団の存在意義は大きいと言えます。

 

寸評

 前項のように、財団系奨学金(勝手に呼称)の存在意義はとても大きく、たとえ規模が小さくともこれによって進学を支えられている学生が少なからずいます。ここからは、奨学金事情と地方の大学について述べていきます。

 

大学進学のあり方

 かつてはエリート層が大卒でしたが、今のご時世大学進学率は50%を超えています。更に実学的な教育は、高等学校以降に行われるという日本の教育路線が敷かれている関係もあって、これからも大学の果たす役割は大きくなっていくでしょう。

 そうした中、高い学費に対する支援策として政府は高等教育の無償化を打ち出しています。これも大学進学者を支援する施策ですが、優良な成績を収め続けなくてはならないものです(税金投入なので当たり前ですが)。しかし考えてみれば、大学の4年間とは勉学だけではありません。勉強はベースとして大切ですが、多くのバックボーンを持つ人々と関わることで自身の成長に繋がります。

 

奨学金制度の意義

 この大学のモラトリアムをどう過ごすか、といった時に大切になるのが、支援の多様性ではないでしょうか。政府による高等教育無償化、日本学生支援機構や各財団による奨学金、大学からの直接支援(特待生)などが考えられます。今の日本において、大学進学はある程度敷居が下がりましたが、企業において大卒要件を残しているところはたくさんあります。一方で所得格差が広がり、進学を断念せざるを得ない層がいることも確かです。これを解決する手段こそが奨学金であると言えます。

 ただ、貸与のものは「奨学金」ではなく「借金」であるという指摘がされているように、名称や受ける際の説明などはまだまだ検討の余地があるように感じます。

 

地方創生にどう繫げるか

 安易に海外の例を持ち出したくはありませんが、アメリカも学費が高くて有名ですよね。そんなアメリカも出身地(州により異なる)で学費が大幅に安くなることをご存知でしょうか。参考までにアメリカ留学を勧めるページをご紹介いたします。

 

アメリカ名門大学に年間50万円!留学生なのにアメリカ人料金で行く方法 | EnglishPediawww.englishpedia.jp

  

 日本の公立大学でもありますが、アメリカの場合は特に差が大きいですね(大体州外は2.5倍)。公立大学地方自治体により運営されていることから、出身地によって学費に差を設けている訳です。

 日本の私立大学、特に地方の私大に公立化の動きがあるのは、ご承知のとおりですね。下記記事も参考までにどうぞ。

 

徳山大学(山口県周南市)が周南市長に公立化を求める要望書を提出 - 大学職員が主観で物申す。www.t-univ.com

 

 地方の大学運営と大学進学が求められるようになってきた進学事情、これらの動きは今後も進んでいくものと思われます。そこで、全国あまねく支援する日本学生支援機構よりも、地方に根ざす教育支援策とも言える財団系奨学金の役割が大きいことが、ここでも言えますね。あとは体力のある私大による独自奨学金の可能性に託されることになるでしょう。

 

 以上、独断と偏見バリバリの主観で「県内進学者を支える奨学金こそ地方創生のだいっぽ!!」について物申してみました。