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エコをブランディング化すれば一石二鳥!?

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 環境に優しい世界の大学ランキング(UI GreenMetric World University Rankings)というものをご存知でしょうか。インドネシア大学が主催するこのランキングは、2010年から実施されており、「持続可能なキャンパス環境への取組み」を評価します。調査項目は、SDGs(2015年国連サミットで採択された持続可能な開発目標)の17の目標のうち、9つの目標に対応しているとのことです。

 さて、今回は国立大学の東京農工大学が学内のペットボトルを廃止したニュースから、大学のブランディング化について考えてみます。

 

 

ニュース記事はこちら

プラ使用ゼロ、東京農工大が宣言 来春ペット自販機廃止 [プラごみ危機]:朝日新聞デジタルwww.google.co.jp

 

大学のホームページにも公開されています。

「農工大プラスチック削減5Rキャンパス」活動宣言 | 学長室より | 大学案内 | 国立大学法人 東京農工大学www.tuat.ac.jp

 

ニュースの概要

・日本の大学で脱ブラ宣言は初

・2050年石油ベースプラスチックゼロ目標

・具体的な5つの施策

 

 

東京農工大学ってどんな大学?

 東京農工大学は東京都の府中市小金井市にキャンパスを持つ国立大学です。名前のとおり、農学部と工学部を備えた大学ですが、それぞれの学部が独立した教育機関であったことから、それぞれに歴史がある珍しい大学です。

 

大学概要

 創設:

 開設学部:2学部10学科

      農学部

      (生物生産学科)

      (応用生物科学科)

      (環境資源科学科)

      (地域生態システム学科)

      (共同獣医学科)

      工学部

      (生命工学科)

      (生体医用システム工学科)

      (応用科学科)

      (科学物理工学科)

      (機械システム工学科)

      (知能情報システム工学科)

※学科改組を行っている途中です。

 

 学生数:3,821名 ※2018年5月1日現在

 

大学ホームページ

www.tuat.ac.jp

 

特色

 東京農工大学農学部と工学部のみを展開する非常にユニークな大学ですが、そのレベルはとても高く、関東で農学部を備えた大学が少ないこともあって、有力な国立大学としての存在感を示しています。本稿で取り上げた環境問題においては、日本で最初の環境を研究するための学科「環境資源学科」を中心に取り組んでいます。

 研究分野においても優秀で、外部資金獲得によって社会貢献と研究開発の発展を目指し、研究に力を入れています。シンポジウムや技術説明会を頻繁に開催し、研究内容の公表に努めています。学生もこうした学術研究に熱心な環境に身を置くこととなりますので、進路を見ても、実に7割ほどが大学院への進学をしています。

 余談ですが、お笑い芸人ハマカーン神田伸一郎さんはOBであるらしく、同大学の広報大使となっているようです。

 

検索・関連ワード

 東京農工大学関連の検索ワードは「偏差値」、「就職」、「受験科目」などとなっており、受験を考えている人のリサーチぶりが伺えます。実際、東京農工大学を目指す人の併願先もしくは悩んでいる他大学として挙がっているものは横浜国立大学筑波大学早稲田大学慶應大学などでどこも名門です。

 

寸評

 東京農工大学研究分野において非常に力のある大学です。学科数の多さからみても農学と工学の中でも広い部分を網羅しており、今回のキーワードでもある環境分野においても生物学や汚染研究などと絡めた研究を行う研修者がいるようです。日本で最初の環境を研究する学科を創設したことも頷けますね。

 

大学と環境問題は距離が近い

 これは当たり前かもしれません。何しろ環境問題とは、工業化に伴って発生した問題であり、人間が文明を築いていく方向性と全く逆の観念とも言えるからです。しかし、環境を置いてけぼりにして良いはずはありませんので、当然環境を守るための研究が必要がなってきます。そこで大学の出番ですね。特にこうした分野については、ただただ解決策を模索していくだけでなく、世間に対して啓もう活動をしていかなくてはなりません。まさしく大学が研究、そして情報発信においてふさわしいわけです。

 また、大学の持つ「公益性」「社会性」にも目を向けるべきです。すなわち、大学が反社会的なことをするはずはありませんよね。こうした性質もあって、大学と環境問題は距離が近いと言えるのです。

 

ブランディング化は生き残りの道

 大学はブランディング戦略を行っています。わかりやすい例で言えば、中央大学は昔から法学部が抜群の影響力を持っていますし、日本大学はその卒業生の多さから「社長の数日本一」やOBOGとの連携をよく謳っています。これらはいずれも大学のブランディングであり、他大学との優位性をどこに見出すか、ということが肝となってきます。

 東京農工大学は国立大学なので、わざわざブランディングをする必要はないのではないか、という意見もあることでしょう。確かに国立大学の特性としては、国が運営する大学ですので、一定の研究および教育水準の高さが大切になってきます。しかし、こと環境問題について私が考えるのは、上述のとおり、大学こそ環境問題に率先して取り組み、世間に成果を発表していくにふさわしい組織です。さらに国からの支援だけではもう一歩届かないところを企業からの外部資金獲得、つまり産学連携によって乗り越えていくことができます。

 この良い循環を生み出すにおいて、ブランディング化は非常に有効なのではないでしょうか。現に脱プラ宣言を日本の大学で最初に行ったことがその証左と言えるかもしれません。

 

オリジナルグッズ開発が面白そう

 ブランディングと一言で言っても中々難しいものです。東京農工大学のように実績もノウハウも設備も揃っていれば、もはやブランドと化していると言っても差し支えありません。一方でブランディングを目指していく大学にとってはどうでしょうか。ブランディングを行う以上は、一定の実績や将来性を見つけて行っていくものと推察しますが、漠然と広報し資金投入していくのも体力的に厳しいものがあるでしょう。

 そこで、オリジナルグッズ開発です。大学には非常に多くの関連グッズがあります。ボールペンや筆箱などの文具から、カバンや財布、ネクタイなど身の回りの物、お菓子やワインを売っている大学もあります。実は、大学グッズは非常に多くの場面で活用できる便利アイテムでもあるんです。部活動やシンポジウムでの記念品、来賓へのプレゼント、オープンキャンパスで配る粗品など活用できる場面が多く存在します。ステークホルダーに対して直接配布する機会が多いこと自体も、大学の持つ特性と言えます。

 

 以上、独断と偏見バリバリの主観で「エコをブランディング化すれば一石二鳥!?」について物申してみました。